DETAIL
PT01(現PT TORINO)とPT05(現PT TORINO DENIM MEN)のディレクターだったドメニコ・ジャンフラーテ(Domenico Gianfrate)氏。
毎シーズンのピッティ ウオモではスナップの常連で、世界中のファッションメディアがジャンフラーテ氏の着こなしに注目、
この秋冬から仕入れさせて頂きますGERMANO(ジェルマーノ)のディレクターに就任しました。
まさにナポリの老舗ブランド、ジェルマーノとプーリア地方出身のジャンフラーテ氏との融合です。
【ジェルマーノのパンツを仕入れた理由】
私のパンツの基準は、、、
履きやすさ、は当然ながら、
イタリアしか出来ない部分です。
ベルトループの細さ、玉縁ポケットの細さなど芸術です。
細かいディテールの集合体がイタリアの香りを醸し出すのでしょうね。
私の思うイタリアブランドに求める部分は多数ありまして、幾つかご紹介出来たらと思い、筆を取りました。
まず、細かなディテールをご紹介しない事には何が違うのか、説明出来ません。
同僚の結婚式に急遽出席する事になり、大手量販店様にて購入させて頂いたものと比較させて頂きたく存じます。
まず大きな違いはボタンホールとボタン
24AWジェルマーノ

大手量販店様

分かりにくい画像かも知れませんが
ボタンホールの目の細かさが違うのです。
大手量販店様のギザギザのボタンホールに対し、
イタリアブランドは目の細かいボタンホールを施されてます。
少し見えていますが両玉縁
(両玉とはポケット口上下に玉縁が付いている事、装飾や縫い代の始末を目的に布地の裁ち目を玉緑布で縫い包む製法)
も量販店様の方はカクカクしているのに対し、イタリアブランドは“わざと“へしゃげて玉縁を誂えてます。
この細さが出来ないのです。
それはベルトループ(ベルトを通すための輪)
ジェルマーノ

量販店様
オーダーメイド様
違いがご理解頂けますでしょうか。
メンズ、トラッド、ドレス系において安物…
こちらの量販店様のスーツも決して10年前で8万ほどでしたから、お安くはなかったのですが、
イタリアブランドでも弊社では最高峰クラスのパンツブランドを仕入れている訳ではないのですが、
それでも
これだけの差があるのです。
「全くそんな細かい事気にしないよ」
との(お客様ではなく、洋装にご興味ない方から)ご意見をお聞き及びます。
または日本人気質として
「頑丈に縫った方が良い」
との職人さんの意見を聞いたりします。
しかしながら、このモッサリ感、野暮ったさがイタリアブランドとアジア製の差を生み出しているように感じております。
それはイングリッシュテイストから日本は文化を学んだ歴史もあるかも知れません。質実剛健。。。
ではそもそもなぜ直線的で太い玉縁やループと曲線的で細い玉縁、ループに違いが出るのか?
元生産管理だったので存じているだけなのですが
ミシン工程での
カバーステッチ
(何mm幅のループを精巧に作るか決めての補助的なアイテム)

なるものがあるのですが、それ自体が
太い
のです。
イタリアの代表的なZIP
LAMPOなどでも同じくです。
では日本やアジアで主流のYKKではどうでしょう。
世界一壊れにくいと言われているYKKはイタリアでも取り入れられています。または単価がお安い。
アジア製と日本製でもまた雰囲気も変わってきます。
ただ、革職人の友人も話してましたがどんなに素晴らしい鞄を作ってもヨーロッパには勝てない、と話していたのはこの機能性重視のYKKの独占にあると彼は言います。
確かにクレームにならない、壊れにくい、諸々要因はありますが、
弊社でも取り扱っている
フランス製のシャンボールセリエ

でもそうであるようにクリエイティブなデザインが出来ないのです。
頑丈に作って、硬く硬く物作りを直線的に作る事が得意な日本。
精密機器や機械を製造する事、車などもそうかも知れませんが、直線、直角に作る事に関しては実に素晴らしい母国だと考えます。
ですが、こと曲線美となると個人的にはまだ追いついていないのだと感じてなりません。
パンツは履いてみないとその進化は分かりません。
簡単なデザイン、分かりやすいデザインやシルエットの方が難しく考えなくて済みます。
おそらくは弊社が仕入れているブランドは先程のYKKを股上の部分などは上手に取り入れているでしょう、
LAMPOのZIPを取り寄せの方が日本では大変苦労とお客様にご迷惑をお掛けする事になりますものですから。
ただ、昔、INCOTEXのパンツをバラしてパタンナーと打ち合わせをした事がありますが、
ジャケットは理解できてもパンツは分かりませんでした。
なぜか?
それは前身ごろ(前面部分)にイセ(膨らみをもたすための手法)をしていたのです。股上のすぐ上の部分なら理解できますが、ベルト部分の下にです。
そこを膨らませても
何の意味があるのか?
しかもバラバラにしないと分からない、プロしか分からない箇所をなぜ膨らませるのか?
はついぞ分かりませんでした。
今や2万弱だったINCOTEXも6万〜9万。Rotaもそうですが、マニアにしか販売しない意思も伺えます。
弊社では出来る限り、富裕層の方々だけでなく、20年近くサラリーマンでしたから、コツコツ貯めて買えるブランドを探し回っております。
そこで出会ったのが、
DEVORE(デボーレ)
BEABLE(ビーエイブル)

新たに
GERMANO(ジェルマーノ)

でした。
何とかクオリティを落とさずに税抜で3万前後を探し求めていた結果です。
そして、弊社は並行輸入品
(海外メーカーの日本支社や輸入販売契約を結んだ正規の代理店等を通じて日本に輸入される「正規輸入品」とは異なるルートで輸入されたもの)
を取り扱っていない為、ここが限界となっております。
正規輸入代理店さんがありながら出し抜く形を取ることは、弊社にはとても出来ませんでした。
正規輸入代理店さんがおられてこそ、雑誌広告や知名度向上を成し遂げて来られました、
それを知名度が出たから
はい、直で販売しよう、
はあまりにも…と個人的には考えてます。
価格帯が上がる、GTA

更に
シヴィリア
についてはまたブログを更新したいと考えます。
あれもこれも詰め込みしようとし過ぎて長文になります。
「ウンチクモンスター」
と同業の方にも冠されましたが、何ともお恥ずかしい。
ボタン1つ、玉縁1つ、ベルトループ1つ、畳んでいたら一向に分からないが履いてみたら分かるシルエット、
パンツ職人さんの嘆き
「パンツは非常に難しい。だが、ジャケットばかり持て囃されてる。それはパンツが縫えてようやくジャケットやジレを縫わせて貰える日本テーラーの名残りが今だにある、だから軽んじられる、確かな工賃も貰えない」
それを聞いた時、今だに交流がありますが日本にパンツ職人はほぼ居なくなり、希少な大御所の方となりました。
ジャケットを皆が縫いたがり、パンツを軽んじてしまった私達小売や下請けのブローカーの責任でもあるのです、、
だからこそ、安いから、これで良い
とかお値打ちだから、値引きしているから、とそちらに流れてしまうとその方々の生活も出来なくなってしまうのです。
だからこそ、弊社ではあまりSALE、SALEとしたがらないのはその為です。
立場変われば安い方がいい、
それも理解はしています。私とて他業界の物に関しては安い方を見てしまいます。
それでもイタリア、パンツはルーマニア製にこだわるのが弊社かと考えております。時代の流れも実にあろうかと思いますが。
生地 | コットン98%ポリウレタン2% |
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シーズン | 秋冬 |
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原産国 | イタリア製 |
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サイズ
サイズ | ウエスト | 股上 | 股下 | 渡り | 膝幅 | 裾幅 |
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48 | 84 | 31 | 94 | 31.5 | 21 | 17.5 |
50 | 88 | 32 | 94 | 32 | 22 | 18 |
52 | 92 | 33 | 94 | 34 | 22 | 18 |
※ サイズスペックは各サイズよりランダムに選んだ実寸値となります
※ 膝幅は股下の半分から5cm上の部分を計測させて頂いております。
※ 実際の商品に忠実に撮影させて頂いておりますがデバイスなどにより見え方が変わります事、ご了承下さいませ。
※海外製品の為、ほつれ等多少ある場合がございます。ご了承の程よろしくお願い致します。
【ジェルマーノブランド紹介】

【公式サイトより画像を引用】
【ジェルマーノサイトページ】←こちらをクリック
1952年、ナポリ近郊のサレルノで創業したパンツ専業ブランド「GERMANO(ジェルマーノ)」。
イタリアの伝統的なサルトリアーレの手法を継承し、現在でも頑なにメイド・イン・イタリーにこだわり続けています。
半世紀以上もの長い歴史の中で培われてきたパンツ作りの技術と経験は、ヒップを包み込む独自の設計や見事なアイロンワークによる生地のクセ取りに見ることができます。
老舗でありながらトレンドにも精通しており、定番モデルに加え、
スリムフィットモデルや製品染めモデルをラインナップするなど、常にトレンドを意識したスタイルを提案しています。